柔道ニュース



● 武道必修化で柔道選択の公立中学校、安全対策で試行錯誤/神奈川



武道必修化で柔道を選択した公立中学校では、安全な授業を行おうと、教諭がさまざまな工夫を取り入れている。

生徒への意識付けや用具の確認、ノウハウの共有…。

アプローチは違えど、事故防止という同じ課題に向けて「現場」は試行錯誤を続けている。

生徒の意識を高めようと取り組んでいるのは、

柔道初段で相模原市立緑が丘中学校(同市中央区緑が丘)の上里真弘教諭。

生徒自身が危険に気付けるよう、授業中は常に周囲を見るよう指導している。

授業中は、2人一組になった生徒が周りを見回し、「もっと離れて」「そこ、ぶつかりそう!」と常に声を掛け合う。

最初は準備運動でも体をぶつけ合うことがあったが、現在は自分の周りに他の生徒がいないか、

他の生徒と接近しているのに気が付いていない生徒がいないか、注意を払うようになったという。

横浜市立新田中学校(同市港北区新吉田東)の授業では、畳と畳の間に指を挟むような隙間がないか、

敷き方を生徒と一緒に点検することなどで安全意識を高めている。

柔道経験が浅い椎野美由紀教諭は「投げ技を掛けることだけが柔道の目的ではない。

受け身など基本をしっかり身に付けさせたい」と話す。

各校で行われている教員の工夫を、川崎市教委では現場のノウハウとして蓄積し共有を進めている。

事故を受け同市教委は10月下旬、全51の公立中学校の体育科主任教諭を集め、柔道授業上の安全対策を聞き取った。

体育科教諭による科目研究会でも対策を聞いたところ、

「投げ技で投げる生徒には引き手を相手から離させない」

「指導計画は立てるが、生徒の状態に合わせて柔軟に進める」などが挙げられた。

各校の柔道の授業に指導や助言を行う市カリキュラムセンターは、今後も各校が取っている安全対策を調査する。

来年4月には保健体育科教諭が集まる場で、指導上の注意点として紹介する予定で、

同センターは「先生一人一人が行っている良い工夫を積極的に広めていきたい」としている。










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