● 大野「一本を取る柔道できた」
楽しみな逸材が、輝きを放った。
初戦から5試合すべて一本勝ちを収めた大野将平(20=天理大)は
「目指している、一本を取る柔道ができたので、本当にうれしい」と素直に喜んだ。
得意の内股、大外刈りを駆使して勝ち上がった決勝の相手は、
ロンドン五輪銀メダリストの中矢力(23=ALSOK)。
5月の全日本選抜体重別決勝では敗れたが、今大会は立ち技で圧倒。
1分20秒には小外刈りで技あり。そして1分48秒に、大外刈りで一本を奪った。
「借りを返す気持ちでいきました」と負けん気の強さを見せた。
若い力の台頭。男子の井上康生監督からは
「一本の前の組み手や、動き、技のバリエーションに成長が見える。今後が楽しみ」と
高く評価された。だが、当の本人に思った以上の喜びはなかった。
「一番大事なのは、研究をされてから。ぽっと出て勝つことは誰でもできると思う。
これからが勝負」。
16年リオデジャネイロ五輪の期待の星は、勝ってなお、気を引き締めていた。