柔道ニュース


● 柔道安全な指導を 秋田市教委 武道必修化


中学1、2年の体育で武道が必修化されたことを受け、秋田市教育委員会は、

教員に向けた柔道指導の手引を作成し、9月中旬、全市立中学校に配布した。

市教委は2日、手引が完成してから初めてとなる実技講習会を市内で開いた。

体育教員25人が受け身や技の指導法を学んだ。

市教委によると、秋田市では、既に全市立中学校で柔道を選択科目として導入。

多くの学校で男子のみが履修し、毎年授業で捻挫や打撲などのけがが起きているという。

必修化で女子への指導が始まることから、より一層安全に配慮するため、市教委で独自の手引を作った。

手引は文部科学省の学習指導要領を基に、

柔道の指導経験が10年以上ある市教委学校教育課の指導主事・三浦純也さん(48)(柔道初段)が、

市柔道連盟の助言を受け、自らの経験を交えて「柔道の安全な指導のために」をまとめた。

三浦さんは「後頭部を打つなど柔道界で『最も危険な技』とされる大外刈りも、

動作自体はシンプルなため、指導要領は中学生に教えられる技として例示している」とし、

一歩間違えば大けがにつながる危険性を指摘した。

手引では、技の写真をコマ送りで掲載し、動作ごとに注意点を挙げ、受け身の練習は毎時間行うよう求めた。

男子は体重別にグループを組むよう指示できるが、「女子に同じように指示するとセクハラになりかねない」とし、

「女子には心理的な配慮も必要」と記し、男子以上に目を配るよう求めている。

講習会では、市柔道連盟の細田修一会長ら4人が講師を務め、

初めて柔道を指導する女性教員10人を含む教員25人が、寝技の固め技や受け身、投げ技の指導を受けた。

教員らは「子供たちは夢中になると(固め技で)相手の首を押さえてしまう。

危険なのでやめさせてください」などと指導を受け、互いに技を掛け合って指導のコツを学んだ。

秋田西中の三浦理世教諭(39)は、バスケットボールが専門の体育教員で、

「受け身の重要性を実感した。生徒たちには安全に、柔道の楽しさが伝わるよう指導したい」と話した。

三浦純也さんは「武道は年10〜12コマほどで、実際は柔道着の着方など、

基本的な指導にほとんどの時間を割くことになる。

礼儀や相手を尊重する姿勢など柔道の特性を理解し、楽しく学べることが一番」としている。






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