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● 環太平洋大・女子柔道部、めきめき実力 強さの秘密は組織力 古賀総監督と矢野監督、二人三脚で 


兵庫県尼崎市で27、28日にあった全日本学生柔道体重別団体優勝大会(毎日新聞社など主催)で、

女子で初めて全日本学生優勝大会との団体2冠を狙った環太平洋大は、初優勝の帝京大に準決勝で敗れた。

92年バルセロナ五輪金メダリストの古賀稔彦さん(44)が総監督を務めることで話題を集めるが、

創部6年目で確固たる地位を築いたのには理由がある。

矢野智彦監督(38)との二人三脚で築き上げた「組織力」だ。

午後11時過ぎ。矢野監督の携帯電話には、寮長を務める山見ちひろ(4年)からメールが届く。

「全員います」。40人の部員全員が門限までに選手寮に戻ったことを報告する内容だ。

部員の部屋は同学年の3人部屋。それぞれ部屋長が決まっており、報告が伝わる仕組みだ。

部の規則に午後11時の門限が定められているほか

▽最低7時間の睡眠▽バイクの運転禁止▽禁酒禁煙などが並ぶ。

「創部1年目は練習時間の半分は(意識を変えるための)話だった」と古賀総監督。

主将の中里友理子(4年)は「2冠という大きな目標もある。自己管理も当然」と語る。

主将や副主将、寮長は4年生が務めるが、3年生はその補佐に当たる。

下級生に早い時期からリーダーシップを促すのが狙いだ。

「無敵」を学年目標に掲げる3年生には、

全日本学生体重別選手権70キロ級2連覇のヌンイラ華蓮ら力のある選手が集まるが、

主将補佐の安松春香は「先輩たちのおかげで柔道優先という意識が統一されている」と話す。

矢野監督は東芝プラントシステム時代に採用を担当し、人事畑が長い。

それだけに「組織力」に人一倍こだわる。「ビジョンや目標を明確にしたい」というのが出発点だ。

創部当初は練習場所も間借り。大都市圏から遠く、選手集めにも不安があった。

大学は09年に総事業費約18億円の武道館「トップ・ガン」を建て、

心おきなく柔道に打ち込める環境となったが、

2人の指導者は「結果を残さなければという危機感は常にある」という。

最近は膝の柔らかな使い方を学ぶため、けん玉に取り組むなど創意工夫を欠かさない。





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