● 斉藤仁頼み
新しい柔道強化委員長への昇格が有力となっている斉藤仁強化副委員長
ロンドン五輪で惨敗を喫した柔道で、吉村和郎強化委員長(61)が退任し、
新しい強化委員長に84年ロサンゼルス、88年ソウル両五輪95キロ超級2連覇の斉藤仁強化副委員長の
昇格が有力となっていることが18日、関係者の話で分かった。20日の理事会で決定する。
男子の篠原信一、女子の園田隆二両監督は16年リオ五輪に向けて、ともに続投する見通しとなった。
ロンドン五輪の男女計14階級で、日本は女子の松本薫1人しか金メダルを奪えず、
男子は史上初の金メダルゼロに終わった。吉村強化委員長は「オレの責任」として上村会長に進退伺を提出。
その上で両監督については「この経験を生かした方がいい」と続投を支持していた。
吉村強化委員長はこの日、都内で「20日(の理事会)にならないと分からない」と言葉を濁すも、
自らの退任や斉藤氏の就任案を否定しなかった。
後任に有力となった斉藤氏は現役時代、重量級で活躍。
ロサンゼルス五輪で金メダルを獲得し、
続くソウル五輪では初日から金メダルがない危機的状況で最終日に登場すると、
けがで右足をひきずりながらも2連覇を果たし、唯一の金メダルで日本柔道を守った。
04年アテネ、08年北京五輪では男子代表を率いて2大会で金メダルを計5個獲得。
特に自らもとりでを守った最重量級への思いは強く、
北京では100キロ超級代表の石井慧をマンツーマンで猛特訓。金メダルに導いた。
崩壊した重量級の立て直しが急務の日本のお家芸。
ソウル五輪で日本柔道を救った斉藤氏に再び、復権が託されることとなる。