平成24年度 マルちゃん杯全日本少年柔道大会 寸評

●小学生の部

大方の予想では、全少、関東マルちゃん優勝チーム

春日クラブ(東京)が優勝するであろうという前評判が圧倒的であった。

事実、準決勝戦までは、圧倒的な強さで勝ち上がってきた。

特に、準決勝戦の全少3位 九州王者の脩柔館(福岡)戦は

接戦が予想されたが、前3人で勝負をつけ、4−1という完勝劇!

一方、対抗視されていた朝飛道場(神奈川)は、

1回戦の板野町(徳島)に2−1と苦戦したが、

他の試合は、危なげなく順当に決勝戦まで勝ち上がってきた。

接戦が予想された準決勝戦、松前塾(東京)戦も4−1で圧勝!

決勝戦は、大方の予想通り、全少 関東マルちゃん大会決勝の再戦、

近年 少年柔道界の2強対決となった。

決勝戦の試合経過は、後ほどさせて頂くとして、

1回戦から注目のカードを振り返ってみる。

さすがに、各地の予選を勝ち抜いた32チームだけあって、

どの道場も鍛えられていて強い!

1回戦から白熱した接戦の試合が続いた。

まずは、松江クラブ(和歌山)VS寒川柔友会(神奈川)

取りつ取られの大接戦。勝負は、エース対決 大将戦!

松江クラブ 下邨が有効先取するも 後半 寒川 成田 大逆転の大内返し 一本勝ち。

脩柔館(福岡)VS怒涛館石津(奈良)

前半五分も副大将で2点奪取の脩柔館が順当勝ち。

愛柔会(神奈川)VS花柔会西野(北海道)

5年男子軽量 重量の全国王者2人がいる愛柔会だが、

学年差を埋めきれず、花柔会西野に大将戦で敗退。

来年が楽しみなチームである。

橿原市クラブ(奈良)VS剛柔館藤田(青森)

副将戦まで橿原リードも大将戦で剛柔館 一本勝ちで逆転勝利。

近畿王者 橿原クラブは、大将のメンバー変更が響いたか?

板野町教室(徳島)VS朝飛道場(神奈川)

板野町は5年4人で挑み 朝飛道場に善戦!、来年が楽しみなチームである。

2回戦 春日クラブは、5−0で与那原署励心会(沖縄)に圧勝。

好調、五所川原少年団(青森)が寒川柔友会に4−1で完勝。

脩柔館、 山武成柔会(千葉)に苦戦。1−0で辛勝。

大原町教室(千葉)が接戦予想を覆し3−0で剛柔館藤田(青森)に圧勝。

松前対決は、松前塾(東京)が勝利。

●準々決勝戦

春日クラブが好調 五所川原少年団に4−0の圧勝でベスト4進出。

脩柔館が花柔会西野に3−2で競り勝ち、ベスト4進出。

松前塾が大原町教室に3−2競り勝ち、ベスト4進出。

朝飛道場が中部の強豪 羽島少年団を後半突き放し、ベスト4進出。


●準決勝戦

春日クラブ(東京)VS脩柔館(福岡)

全少1位 関東王者 VS 全少3位 九州王者

大接戦が予想される 好カード!

結果は、意外にも4−1で春日クラブの圧勝!

九州の雄、脩柔館 全少に続き、関東の2強の壁に跳ね返される!

結果は、完敗だったが全少に続き ベスト4入りは、大健闘ではないか。

今後も注目したい道場である。


松前柔道塾(東京)VS朝飛道場(神奈川)

強豪 関東勢同士の対決。

4−1の圧勝で朝飛道場が決勝戦進出!

結果は、完敗だった松前塾だが 5年2人と若いチームであり、

今後も注目したい道場である。


●決勝戦

春日クラブ(東京)VS朝飛道場(神奈川)

大方の予想通り 2強が危なげなく 順当に決勝戦に勝ち上がってきた。

何度も対戦していて、手の内がわかっている同士。

全少決勝戦 関東マルちゃん決勝戦 

ともに春日クラブが勝利して優勝している。

全少から4ヶ月、関東マルちゃんから2ヶ月 

成長期の小学生だけに、前回対戦と違った結果が出るのか?


◎先鋒戦 春日 西願寺VS朝飛 長友

軽量級の好選手対決!前半五分の展開も 一瞬の隙をつき、

返し技に近い 谷落し?で西願寺が技有先取!

後半 長友ラッシュ仕掛けるもタイムアップ。

春日 勝利を引き寄せる 先制点!


◎次鋒戦 春日 下屋敷VS朝飛 長嶋

体格差 五分の対戦!

前半やや下屋敷が優位も 潰れた一瞬の隙を 長嶋見逃さない!

ガッチリ抑え込み 流れを変える 一本勝ち!


◎中堅戦 春日 あんこ型 藤永VS朝飛 ノッポ型 藤鷹

前半 藤永が払い腰を中心に勢いよく攻めも

潰れるのが早く決められない。

防戦一方の藤鷹だったが、これまた 一瞬の隙を見逃さない!

ここも そつがない寝技で一本勝ち!朝飛道場の寝技が冴える!


◎副将戦 春日 女子選手高橋VS朝飛 エース賀持

後がない高橋が、払い腰を中心に攻めるも 効果なし。

賀持は、余裕を持って受け止める。

中盤以降、あせりの見え始めた高橋が、掛け逃げを取られる。

余裕の賀持が前に出て プレッシャーをかけると 

高橋 防御姿勢になり 指導2つ目 タイムアップで朝飛の優勝決まる!


◎大将戦 春日 エース 今田VS朝飛 5年 秦

敗戦が決まり 落胆隠せない今田だが 前半 一方的に攻めるも決め手なし。

秦も受けが強く 中盤以降、支えを中心に反撃。

後半 今田指導奪取するも タイムアップ。秦が踏ん張った感有り 引き分け。



3−1で朝飛道場が 全少 関東マルちゃんのリベンジを果たし優勝!!!

朝飛道場は、立ち技でのポイントはなかったが、

一瞬の隙を見逃さない 寝技が冴えた。 

そして 団体戦の戦いに徹し リベンジに燃えに燃えていた想いが

朝飛道場を優勝に導いたのではないか。




●中学生女子の部

大方の予想では、大成中(愛知)が、3冠を達成するだろうという前評判。

焦点は、相原中(神奈川)、帝京中(東京)の関東勢が波乱を起こせるか?

第1試合でいきなり 昨年の覇者 香長中(高知)が修徳中(東京)に敗退。

その修徳中が琴海クラブ(長崎)を内容差で退け、準決勝進出。

優勝候補 相原中の1回戦は、強豪 大石道場(愛知)大成中の準レギュラーでメンバー構成。

接戦になったが 中堅 畠石がポイントを奪い 1−0で辛勝。

2回戦 三沢第一中(青森)には、圧勝して準決勝進出。

全中2位の帝京中は、1回戦 中広中(広島)に3−0で圧勝。

2回戦 接戦が予想された、近畿王者のあすなろクラブにも2−0で圧勝。

順当に準決勝進出。調子が良さそうだ。

断トツ優勝候補の大成中は、1回戦 2回戦とも3−0で圧勝。

格の違いを見せつけ、準決勝進出。


●準決勝戦

修徳中(東京)VS相原中(神奈川)

関東勢同士の対戦。

修徳中が頑張りを見せ、善戦するも 一歩及ばず

相原中が順当に決勝進出。


帝京中(東京)VS大成中(愛知)

全中の決勝戦のカード。2−0で大成中が勝利している。

1ヶ月弱の期間を経て 逆転はあるのか?

大成中が先鋒 鈴木が挙げた一点を守りきり 決勝進出。

帝京中にも勝てるチャンスはあったが、

あと一歩の決め手不足が悔やまれる内容。

少々 苦戦はしたが 失点しない大成中。


●決勝戦

相原中(神奈川)VS大成中(愛知)

大方の予想通りのカード!

全中 準決勝戦では、大成中が1−0で勝利している。

ここまでの戦い振りを見ると、相原中が少し元気(覇気)がない印象!

◎先鋒戦 相原中 伊藤VS大成中 鈴木

全中57kg2位の鈴木が一歩的に攻める。伊藤 防戦が一杯。

最後は、寝技で仕留めて 一本勝ち。大成中 先制!


◎中堅戦 相原中 畠石VS大成中 鍋倉

全中優勝者同士 70kg VS 63kg

熱戦が期待され、畠石が勝利すると 相原中が優位になる一戦!

試合前半で あっけない幕切れ!!鍋倉が手順通りの抑え込みで一本勝ち!

2−0 大成中の優勝が決まる!


◎大将戦 相原中 冨田VS大成中 中江

全中70kg超級王者 VS 70kg2位

勝負が決している為、消化試合の雰囲気有り。

お互い決め手欠き 大きな山場なく 引き分け。

結果 2−0で大成中が圧勝!3冠達成!!

今後も大成中の快進撃が、続くであろう!

相原中には、意地を見せて欲しかったが。。。。今後に期待する!



●中学生男子の部

大方の予想では、3巴戦の様相 

国士舘中(東京)、大成中(愛知)、小野中(兵庫)

追うのが、相原中(神奈川)、灘中(兵庫)、埼玉栄中(埼玉)、

松山西中(愛媛)、大蔵中(福岡)か?

近代柔道杯は、灘中が優勝。

全中は、小野中が優勝。

兵庫県勢が2大大会を制している。

果たして3大大会を兵庫県勢が総ナメできるか?

国士舘中、大成中が阻止するのか?

全中から1ヶ月足らずで 結果は変わるのか 伏兵チームが現れるのか?

1、2回戦は、大きな番狂わせなく 強豪チームが順当に勝ち進んだ。

優勝候補以外のチームで活躍が目立ったのは、

喜多方三中(福島)、沖学園(福岡)、御野場石川道場(秋田)、望海中(兵庫)、粟津中(滋賀)など。

特に、御野場石川道場は、2回戦で一枚岩道場(大成中の準レギュラーチーム)を破っている。

3回戦で埼玉栄中に、一歩及ばず敗退したが健闘が光った。今後の活躍に注目したい。


●準々決勝戦

国士舘中(東京)VS相原中(神奈川)

体格で劣っている相原中は、何とか食らいついて

接戦に持ち込みたいところだったが、

国士舘中の壁は高く、いいところなく敗退。

磐石な戦いで国士舘中が準決勝進出。


大成中(愛知)VS灘中(兵庫)

全中3位の大成中に対して 近代杯優勝の灘中

優勝候補同士の対戦!

五分の展開も、僅かな内容差で大成中が準決勝進出。

灘中は、あと一歩 詰め切れなかったのが悔やまれる。


小野中(兵庫)VS埼玉栄中(埼玉)

埼玉栄中は、1回戦から接戦続き。

3回戦の御野場道場戦も あわや敗退かと思わせる内容。

一方、小野中は、ここまで磐石の試合内容。

やはり ここは力が違ったか。3−0で小野中が圧勝。


松山西中(愛媛)VS大蔵中(福岡)

全中3位の松山西中 全中は不本意な結果だった大蔵中

大蔵中は、どうしても勝って力を示したいところだろう。

勝ち上がりも好調で、気合い十分 充実感が伺える。

接戦が予想されたが、3−0と以外な大差で大蔵中が準決勝進出。


●準決勝戦

国士舘中(東京)VS大成中(愛知)

全中では、実現しなかったカード。

決勝戦のキップをゲットするのは、どちらであろう?

国士舘中の勝ち上がりは、圧勝の連続。充実感が伺える。

一方、大成中は戦前から予想されていたが、灘中戦は薄氷の勝利。

結果論になるが、この大一番は、先鋒戦が大きなポイントではなかったか?

国士舘中先鋒 好調川脇が、大成中先鋒 古賀から技有勝ち。

この一戦で流れは、大きく国士舘中に傾いた感あり。

終始、国士舘中が主導権を握り続けて 2−0で完勝!

全中のリベンジに燃えているのだろう。選手全員に気迫が溢れていた。

一方、大成中は まとまっているが 爆発力が欠けていたのでは?

国士舘中が決勝戦進出!



小野中(兵庫)VS大蔵中(福岡)

小野中は、ここまで磐石の勝ち上がりで充実感あり。

一方、大蔵中も松山西中に完勝するなど 好調 充実感あり。

本日、好調 充実感があるチーム同士の対戦!熱戦が期待された。

先鋒戦 終了間際の不可解な指導で 小野中が先制。

副将戦 小野中 松井が攻め立てるも 一瞬の隙をつき

大蔵中 早川 払い巻き込みで有効奪取!同点で大将戦へ!

小野中 大将長井VS大蔵中 大将友田

前半 友田が攻め立てるも不十分。その後も攻勢仕掛ける。

どう見ても 指導を取るのが遅い印象!

友田が強引に仕掛けたとこを 長井が上手く 返し技で合わして一本!

大熱戦は、2−1で小野中に軍配!決勝戦進出!

大蔵中にも十分 勝てるチャンスがあったが。。。

審判団との相性が?。。。



●決勝戦

国士舘中(東京)VS小野中(兵庫)

全中決勝戦の再戦!

国士舘中のリベンジなるか?小野中の2大会 連続優勝なるか?

また 去年のサニックス杯以降 中学生全国大会団体戦

すべて、兵庫県勢が優勝するのか?

オーダーは、全中決勝戦と全く同じ!

キーポイントは、先鋒戦か?

◎先鋒戦 国士舘中 川脇VS小野中 藤原

今大会 好調の両者!全中では、団体 個人 藤原が連勝している。

お互い前に出て、攻め合うスリリングな展開!

両者譲らず 五分の展開続くも、終了寸前 場外際で、

藤原 内股仕掛けたとこを、川脇 見事に透かし 藤原1回転!

主審、待てのコールも副審 場内アピール!

時計も0秒で止まっている。3審判合議!

川脇の技を認め 技有のコール!そのままタイムアップ!

微妙な判定だったが 妥当な判断か?

国士舘中 貴重な先取点!全中決勝時と裏表の結果!


◎次鋒戦 国士舘中 米山VS小野中 宮城

貴重な先制点を取った 国士舘中は、

ここは 何としても取って突き放したいとこ!

開始直後から 米山の一方的な展開。

内股で技有 有効奪取して 優位に立つ。

宮城 内股で応戦するも 潰れて効果なし。

一本こそ取れなかったが 米山の優勢勝ち。

2−0で国士舘中がリード。予想外?のスコア!


◎中堅戦 国士舘中 磯村VS小野中 東部

後がない小野中は 前回優勢勝ちしている東部登場!

何が何でも 挽回したいとこだ。

気合い十分の東部、組際の低い大内放つと、磯村体を捻り腹這いになるも

審判 有効のコール!中盤まで東部のペースで進むも

後半、東部失速気味。 

磯村 強気に奥を叩き ケンケン内股から 回しこむと 東部ドスン!

逆転で優勝を決定させる 内股一本!!

落胆の東部 しばらく起き上がれず!

3−0で国士舘中の優勝決定!


◎副将戦 国士舘中 河田VS小野中 松井

前回 松井が指導2で勝利している。

勝敗が決して、松井 明らかにローテンション!

前には出るが いつもの勢いが感じられない。

河田は、防戦一方も 時折 技を繰り出し 何とか凌ぐ。

結局 両者決め手がなく 引き分け。


◎大将戦 国士舘中 山田VS小野中 長井

前回 長井が見事な内股で一本勝ちしている。

ただ 今回は試合状況が全く正反対。

長井は、何としても意地を見せたい場面。

開始直後から お互い攻め合う 引き分けはなさそうな スリリングな展開。

長井が有効先制するも 山田が一瞬の隙を見逃さず 逆転の抑え込み一本!

結果4−0の大差で国士舘中が優勝!!

全中の決勝戦と全く反対の結果!

僅か1ヶ月足らずの期間で これだけ結果が、表裏になるのは 珍しいのではないか?

小学生の決勝戦も同じパターン。

理由としては、両チームの柔道スタイルが攻撃型であること、

小学生 中学生は、成長期であり 短期間で体格 体力 技術 精神力などが

成長するのではないだろうか?

今大会に出場した 全選手の健闘を称え また今後の活躍を期待したいものだ!



















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